sketch

埼玉弁護士会所属の弁護士です。

2019-01-01から1年間の記事一覧

不貞?

夫が風俗に行っていた!こんな不倫する夫とは離婚したいし,慰謝料も請求したい!というご相談を受けることがあります。 実は,風俗店に勤務する女性との肉体関係が不貞行為に該当するかについては,問題があります。 裁判例では,風俗店舗内での肉体関係は…

有責配偶者からの離婚請求

不倫をしたパートナーから離婚請求をされたけど,経済的な不安が強いから離婚はしたくないというご相談を受けたので,少し解説したいと思います。 一般的には,別居から3~5年程度経過していれば,婚姻関係の破綻が認められ,離婚判決が出る可能性が高いと…

講演

朝霞第二小学校において,キャリア教育のゲストティーチャーとして授業に参加して参りました。 今回の授業では,弁護士だけでなく,人力車の俥夫・不動産管理業・農家・オートバイの設計士の方もゲストティーチャーとして参加されていました。 授業では,仕…

再婚した場合の養育費(後婚の妻の子の養育費)

夫には前婚の子がいるのですが,その場合の養育費はどうなるのですか?という質問も受けることがあります。 【前婚の子の養育費を支払っている場合】 この場合には,前婚の子の存在について考慮します。 算定表を使うことはできませんので,計算式で計算して…

再婚した場合の養育費(前婚の子の養育費)

再婚した場合に,養育費が減額になるのか?という質問がされることがあります。 そこで,義務者(養育費を支払う義務がある人)が再婚した場合について説明したいと思います。 ただ単に再婚したというだけでは減額になりません。 以下の事情がある場合には,…

遺産管理人②

遺産管理人として,まず着手したのは,預金口座の開設及び預金の払い戻しの手続きでした。 しかし,ここで問題が発生。 某全国展開しているひらがな4文字の銀行が,預金口座の開設を拒否。 さらに,被相続人名義の口座解約についても拒否。 遺産管理人には…

遺産管理人

成年後見人として,被後見人の方がお亡くなりになった場合は,成年後見人としての職務が終了するため,法定相続人に財産を引き継ぐこととなります。 引継は,可能な限り2ヶ月以内に行うこととなります。 (後見の計算) 民法 第八百七十条 後見人の任務が終…

夏の法教育イベント

毎年8月の夏休みの期間は多数の弁護士会主催のイベントが開催されます。 今回は,今年関わらせていただいたイベントをご紹介します。 【8月2日 リアル体験教室「弁護士になりたい」】 https://www.pref.saitama.lg.jp/a0307/mienaichikara/index.html 4…

「子どもにとって望ましい話し合いとなるために」

裁判所が,「子どもにとって望ましい話し合いとなるために」というタイトルの動画を公開しました。 http://www.courts.go.jp/video/hanashiai_video/index_woc.html ・年齢別の子どもが両親の争いから受ける影響 ・子供を両親の争いに巻き込まないためにすべ…

住宅ローン負担と婚姻費用②

住宅ローンと婚姻費用の関係② 【住宅ローンの支払いのある住居に権利者が居住する場合】 ① 住宅ローンの負担:義務者,義務者:別居 二重負担のケース。 義務者の事情をなども踏まえ,今後も義務者が支払を継続する場合には考慮する場合がある。 義務者が有…

こども六法

1年ほど前にクラウドファンディングで支援した「こども六法」が届きました。 https://www.koubundou.co.jp/book/b451093.html 支援のきっかけは,昨年の法と教育学会で「こども六法」の作者である山崎聡一郎さんの発表を聞いたことでした。 山崎さんは,小…

住宅ローン負担と婚姻費用①

住宅ローンと婚姻費用との関係について,よくご質問を受けるので少し説明をしたいと思います。 基本的には,住宅ローンの負担と婚姻費用は別問題と考えます。 しかし,住宅ローンの支払いについて考慮しなければ不公平と言えるような一定の場合には,住宅ロ…

子の引渡しの強制執行

監護者指定・子の引渡しの審判などで申立てが認められた場合には,強制執行手続きを行うことができます。 しかし,現在は子の同居親の立会いのもと任意の引渡しが必要とされています。 そのため,同居親が執行官などの説得に応じない場合には,強制執行が失…

子の連れ去り

ある日突然パートナーが子供を連れ去ってしまった場合,法的にはどのような手続きで子供の引渡しを求めることができるでしょうか。 これまでに,夫のDVから子を置いて着の身着のまま逃げてきたという事案や夫が子供を保育園に送っていったところそのまま子供…

外国送達

以前,外国籍の配偶者と離婚したいが,相手は母国に帰ってしまったという事案を担当したことがあります。 その場合の手続きの流れについて,忘備も兼ねて記事にいたします。 〇 相手の住所がわかる場合 ① 訴状等一式を準備する。相手の母国語の翻訳も添付し…

寄与分①

寄与分は,相続人のなかに,身分関係や親族関係から通常期待される以上に被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をしたものがあるときに,その寄与者の相続分に寄与分額を加算することによって,相続人間の公平を図る制度と言われています。 寄与…

「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」とは

民法第770条は,法定離婚事由を定めています。 そのうち,同条1項1号~4号は具体的な離婚事由を定めていますが,同項5号は抽象的な離婚事由を定めています。 では,どのような場合が「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたるのでしょうか。 こ…

「悪意の遺棄」とは

民法第770条1項2号の「悪意の遺棄」とはどのような場合を意味するのでしょうか。 専門的な説明によると, 「悪意」とは「社会的・倫理的に非難されるべき心理状態,すなわち遺棄の結果としての婚姻共同生活の廃絶を企図し,またはこれを容認する意思を…

持戻し免除の意思表示の推定

ある相続人が,無くなった方(被相続人)から生前贈与や遺贈を受けていた場合には,特別受益があったとして遺産分割で取得できる額が減少することがあります。 では,無くなった方が,長年連れ添ったパートナーに自宅を生前贈与または遺贈した場合も,特別受…

遺産分割調停の進み方

遺産分割調停においては,段階的に話し合いが進められていきます。 具体的には,以下の流れとなります。 ① 相続人の範囲 ② 遺産の範囲 ③ 遺産の評価 ④ 各相続人の取得額 ⑤ 遺産の分割方法 ①から⑤の順番に話し合いが行われます。 ①について合意ができた場合に…

別居

長期間別居が継続している場合,民法第770条1項5号の「婚姻を継続しがたい重大な事由」があると判断されることがあります。 では,どの程度別居が継続していれば離婚が認められるのでしょうか。 これについては,単純に別居期間だけで判断されるのでは…

修正要素

婚姻費用を算定する際,夫婦の年収のほか,特別の考慮を必要とする事情があるケースがあります。 具体的には,以下の場合などがあります。 ・教育費(子供が私立学校に通学している場合,子供が塾や予備校に通っている場合,子供が大学に進学している場合な…

家族構成に関する事情

算定表が前提としているのは,子供が3人以内であり,権利者が子供と同居して養育しており,夫婦間に夫婦の間の子以外の子が存在しない場合です。 そのため, ・義務者が子供と同居して養育している場合 ・子供が4人以上いる場合 ・義務者が夫婦の間の子以…

婚姻費用の算定(算定表)

婚姻費用の金額はどのように決まるのでしょうか。 実務上は,算定表と呼ばれる表に基づいて算定されることが多いです。 算定表は,裁判所のウェブサイトで公開されています。 http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/santeihyo.pdf 算定表は,夫婦のみの場…

婚姻費用とは

婚姻費用とは,夫婦間で分担する家族の生活費を意味します。 特に,別居後に支払われる生活費のことを婚姻費用と表現することが多いです。 婚姻費用の支払義務は,民法760条に基づいて認められます。 (婚姻費用の分担) 第760条夫婦は、その資産、収入そ…

離婚の要件について

「裁判になったら離婚できますか?」というご質問を受けることが多いです。 裁判以外の場合は,双方が離婚について同意をしていれば離婚が成立します。 しかし,裁判の場合,離婚が認められる事由は法律で定められています。 裁判上の離婚事由について,民法…

離婚慰謝料についての最高裁判決(H31.2.19 第三小法廷判決)

平成31年2月19日に第三小法廷判決が,不貞相手に対する離婚慰謝料の請求の可否についての判決を下しました。 【事案の主な時系列】 上告人をY,被上告人をX,Xの妻をAとします。 H6.3 X・A婚姻 H20.12 YとAが知り合う H21.6以降 YとAが不貞行為を持つ H…