寄与分①
寄与分は,相続人のなかに,身分関係や親族関係から通常期待される以上に被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をしたものがあるときに,その寄与者の相続分に寄与分額を加算することによって,相続人間の公平を図る制度と言われています。
寄与分は,以下のような類型がされるようです。
1 家事従事型
2 金銭等出資型
3 療養監護型
4 扶養型
寄与分が認められるためには,
① 主張する寄与行為が相続開始前までの行為であること
② 寄与行為が「特別の寄与」(その行為が,当該身分関係において通常期待される程度を超える貢献である)と評価できること
③ 寄与行為と被相続人の財産の維持または増加との関係に因果関係が認められること
が必要となります。
主に争われるのは,②「特別の寄与」と言えるか否かという点ですが,これについては類型ごとに主張のポイントや裏付け資料が異なってきます。