「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」とは
民法第770条は,法定離婚事由を定めています。
そのうち,同条1項1号~4号は具体的な離婚事由を定めていますが,同項5号は抽象的な離婚事由を定めています。
では,どのような場合が「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたるのでしょうか。
これについてはさまざまな考え方がありますが,婚姻関係が破綻したこと,修復可能性がないこと,が検討されているようです。
具体的には,以下のような場合が考えられます。
・暴力や精神的な虐待
・暴言やモラハラ
・犯罪行為
・別居
など
ご相談を受ける際,離婚原因として「性格の不一致」を挙げる方が多いです。
しかし,性格の不一致のみで夫婦関係の破綻・修復可能性の不存在を立証することは極めて困難です。
そのため,長期間の別居期間の存在を主張することが多いです。
また,精神的な虐待・モラハラ・暴言などを離婚原因として挙げる方も多くいらっしゃいます。
しかし,相手が否定している場合には証拠によって立証する必要があるため,何も証拠がない場合には非常に苦労することがあります。
同居期間中,精神的に非常に苦しんだにもかかわらず,証拠がないためにさらに心の傷を深めてしまう方がいらっしゃることに心苦しく感じることも多々あります。
そのため,離婚を考える際には,事前に弁護士等に相談し,同居中にどのような証拠を収集しておいた方がよいか確認しておいた方がよいと思います。